Journal of Dermatologyに症例報告が掲載されました
症例報告“Reversible hair depigmentation in a Japanese female treated with pazopanib”(パゾバニブ投与により可逆性の白髪を認めた日本人女性の一例)が、“Journal of Dermatology”に掲載されました。
この報告は独立行政法人 国立がん研究センター中央病院の小林英介先生と、メンズヘルスクリニック東京の小山太郎先生(F.M.L.理事)、小林一広先生(F.M.L.理事)、東京女子医科大学教授の川島眞先生(F.M.L.理事)らの共著によるものです。
パゾパニブは、転移性の軟部組織肉腫(STS)に対する新しい治療薬でチロシンキナーゼ阻害薬です。
国内で承認されているチロシンキナーゼ阻害薬のうち、いくつかで白髪の副作用報告があります。これらの薬剤が白髪を引き起こす機序としては、色素産生細胞であるメラノサイトの活動に関与するc-kitが阻害されることが挙げられていますが、その詳細はわかっていません。
今回の症例報告で治療に用いられていたパゾパニブは、他のチロシンキナーゼ阻害薬と比較して、特に白髪の発生頻度が高いようです。チロシンキナーゼ阻害薬により生じる白髪が解明されれば、老化に伴う白髪のメカニズムの解明にも役立つ可能性があります。
引用元:http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/1346-8138.12654/abstract