理事会レポート

ご挨拶 研究室から・・・

F.M.L.事務局長 井上 肇   巷では胚性幹細胞(ES細胞)や、誘導型多能性幹細胞(iPS細胞)が夢の再生医療として、トピックとなっています。最近の報道でも血液一滴からiPS細胞が作製出来た等、iPS細胞、ES細胞の再生医療への無限の可能性が期待されています。患者さんの期待はうなぎ上り。明日にでも実現可能な医療として報道されているものさえあります。

 でもそうでしょうか?科学者として、そして現場に携わる研究者として、一歩下がって冷静に判断していきたいものです。

幹細胞(Stem Cell)研究と言えばどういう訳か再生医療の最先端を走っている様に思われがちです。確かに聴こえは良いですが、そんなに洗練されたかっこの良いものではありません。筆者は約25年間一貫して上皮系の細胞培養技術の開発と臨床応用研究に明け暮れてきました。

 ES細胞, iPS細胞には目もくれず(というより技術がない?)に。いわゆる体性幹細胞と言うくくりの幹細胞(な?んちゃって幹細胞?)を用いた皮膚疾患治療を手がけてきました。培養技術の確立等、結構地味な仕事ですが、BSE然り、プリオン然り、動物由来の成分の混入が問題になる昨今、僅かばかりに光が照らされた部分もあります。ES細胞やiPS細胞は今そこに苦しむ患者さんを助ける事は出来ないから、体性幹細胞研究が重要である。

 等と自分に言い聴かせながら。そういえば毛髪の再生も結構重要な分野です。
プロペシアやミノキシジル等、発毛に効果を見せる医薬品も多く見受けられる様になりました。「何だ薬かよ!」と侮るなかれ、広く実用化された立派な薬剤学的再生医療です。再生医学は何もES細胞、iPS細胞、Stem Cellを使うだけではありません。

私たちは幹細胞を利用しつつ、これらの薬を上手に利用して、毛根の再生研究も手がけ始めています。

このコラムでは、これ迄の研究を含めて、再生医療を冷静な目で判断しながら、研究室の研究等を少しずつ紹介して行きたいと考えております。

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